さて、今回は特別編といたしまして、Haluna Checkでおなじみ水澤摩央役の池澤春菜さんに、前後編でお話をうかがっております。前編ではいつもの質問にくわえ、12話までを振り返っていただきました。
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――池澤さんから見た摩央というキャラクターは?
中と外の違いがすごくある子ですよね。一見すると華やかで明るくて、自分にすごく自信があって面倒見が良いキャラクターなんですけど、時々見せる寂しそうな表情や切ない感情をちょっと漏らしたりすることもある。
やっぱり中には寂しさ、脆さとか、本当は人に頼られるんじゃなくて頼りたいみたいな、そんな気持ちが隠れているんじゃないかなと思います。
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――池澤さんの高校時代はどんな女の子でしたか?
高校生の頃ってみんな結構固まって行動することが多かったと思うんですけど、あんまりそういうのに入れなかったんですよ。何だろう、白と黒のパンダがいっぱいいる中に、ピンクと紫のパンダがいて、「お前違うよぉ」とか言われながら「でもほらほら同じ配置なの! ちょっと色は違うけど見て見て、模様の場所は同じなの!」みたいな(笑)。そんな感じの子でした。
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――それはご自分では気づかない?それともけっこう自覚されていた?
小学生の頃から「何かあまりうまくお子様と話せないなあ。大人と話している方が楽だなあ」みたいな思いはあったんです。成長していくにつれてそんな思いがだんだん如実に出てきて、自分の置き所がよくわからなくなって留学をした……というのはありますね。 |
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――けっこう悩まれたりもしていたのでしょうか?
あったかもしれません。でも、留学に行ったあとで、「違ってもいいんだ。何かあったらちゃんと話をすれば通じるんだから、何もかもみんなに分かってもらうことはない。私は私でいいんだ」というのをちゃんと一つ越えることができて、とても楽になりました。
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――それは大きかったですね。留学先での経験をお聞かせいただけますか?
まず私自身、本当に死にかけたことがあったんですよ。「あ、人ってこんな簡単に死んじゃうんだ」という経験も何度かありました。
あと決定的だったのは言葉の壁ですね。留学先はイギリスとタイで、英語はできたんですけど、タイ語が手の付けようがないぐらい分からない言葉だったんです。言葉も違う、気持ちも違う、何もかも違う、もう手の付けようがないコミュニケーションの断絶というのを思い知りました。
その時にはじめて、それまでクラスの女の子とうまく話せなかったのも、気持ちが伝わらないだけだったんだと気付いたんです。やっぱり言葉っていう土台は同じなわけですから。
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――貴重な経験だったんですね。
はい。摩央姉も今回フランスに留学していますので、色々な経験があったのかもと思っちゃいますね。
アニメの摩央姉の性格もその経験の上なのかもしれません。いつも明るいのですが、もしかしたら御両親に気を遣っているところとかもあるんじゃないかなあとか。
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――それでは物語前半を振り返っていただきます。池澤さんにとって印象的なシーンは?
やっぱり7話の甲斐くんですね。それまでの摩央は自分から積極的に甲斐くんと関わったり、光一たちの面倒も見てたんですけど、あそこで初めて弱腰の摩央が見えました。そのあともしばらく甲斐くんを避けたりと、自分の中でこの気持ちをどう処理をしていいのかというのを悩んじゃったんですよね。
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――けっこう露骨に甲斐のことを避けていましたよね。
あの時はスタジオでも「甲斐くん怖い!」っというのが全員の評価でした(笑)。だってあんな暗い路地で「水澤……」って(笑)。甲斐くんはすごい気を遣う子だっていうことが後々わかってくるんですけど、あの段階ではあまりにも自分の中で物語を進めちゃっている感じで。だってキスした後、甲斐くんすごく驚いた顔するんですよ。
「水澤、何で逃げるの?」みたいな。たぶん甲斐くんの中では、大丈夫、行ける、みたいな感じだったんでしょうね。
その後だいぶいろいろ気を遣って、なるべく摩央ちゃんの表情からいろいろ汲もうとしたり、光一くんと話をしたり、涙ぐましい努力をするようになりました(笑)。甲斐くんは成長の速度がめちゃくちゃ速くて。今まで人と関わってこなかった分、摩央と接することで一気に芽吹いた感じですね。
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――やはり甲斐が印象深いですか?
他にも廊下のすぐ横でサックス吹いてるのに、学校の生徒からは無視されていたりとか(笑)。
甲斐くんの行動は何かとネタになるんですよ。カッコいい筈なのに「あれ?」みたいな。
だんだんみんなに愛されるキャラになってきています。一途ですしね。
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――さて、年末年始にはBIGLOBEさんで、12話までの一挙配信が決定しました。 今まで観てきた方へと、この機会に観ようとしている方、それぞれにメッセージをお願い致します。
今まで観てきて下さっているみなさんの中には、色々なかたちで自分の分身が生まれてきていると思うんです。
光一に感情移入する人もいれば、結美ちゃんに気持ちが入っていく女の子もいると思います。
それぞれの目線から物語を楽しんでみると、新しい関係を開拓していけるんじゃないかなと思います。
ぜひこの機会にもう一度楽しんで、後半に備えてください。
また、一挙放送などでこれから観ようとしている皆さまへ。新鮮な懐かしさみたいなものが味わえる作品だと思います。誰もがたぶん普遍的に持っている、人を好きになる気持ちとか戸惑いとか不安、そういうものを丁寧に丁寧に描いてくれている作品です。昨今ではあまりない作品だと思うんですよ。濃い味付けじゃないですし派手ではないけれども、しみじみ美味しい丁寧な作品なんです。
そう、なるみちゃん家のおうどんみたいな、手間もかかって出汁がきちんと取って、毎日食べられるような、そんなおいしさを持っている作品なんです。ぜひぜひよろしくお願いします。
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――ありがとうございます。後編では劇中のカップルについてのお話と、ちょっとだけ今後の展開についてお話を伺います。
はい、よろしくお願いします。それではみなさん良いお年を!
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