さて、水澤摩央役の池澤春菜さんインタビュー後編です。
後編では作中のカップルたちに対して、池澤さんから恋のアドバイスをお願いします。
本編のカップルやキャラクターたちに、自分を重ね合わせている方も多いのでは?
ぜひ春姉のアドバイスを参考にしてください!
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――まずは光一・結美および、光一・結美タイプのカップルに向けてのアドバイスを。
お互いがああいう不器用な、積極的に前へ出られない性格だからこそ、ゆっくり歩んでいくのがいいなって気がします。例えば光一くんが一輝みたいな性格だったら、結美ちゃん逃げちゃうと思うんですよ(笑)。 もどかしいなって思うくらいの、半歩ずつ進むテンポがちょうどいいんですね。
でも光一に対しては「摩央姉のことはいつ振り返ってみるの?」っていうのはあります。このまま単純にお姉さんとしてしか意識しないのは、何だか摩央に対して失礼じゃないかなぁって。あまりにも身近にいて見過ごしていることを、どこかで意識を変えて「あれ? 摩央姉ちゃんそういえば」みたいな転換がほしいかな。
これからは結美の転校の話もあるので、光一はもっとしっかり結美ちゃんを支えてあげなきゃいけないと思うんですよね。言い方は悪いのですが「手を繋ぐこと」とか、今までは「おままごと」だったと思うんです。
そこから一つ乗り越えて「今後どうしていくのか」ってなったときが、光一くんの正念場ですね。
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――光一と摩央についてはいかがですか?
摩央姉は自分が光一に惹かれてしまったら、結美ちゃんも甲斐くんも不幸せになることを分かっているんですね。
だからあえて一生懸命甲斐くんの方を向こうとしているんですよ。
甲斐くんの前では明るく振舞ったりとか、はしゃいでみたりとか。
しかも甲斐くんは甲斐くんで、そういうちょっと無理をしている摩央に気付いていて、でも気が付かない振りをしてあげている。
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――摩央は昔から光一のことを意識していたと思いますか?
もし摩央姉があとから気付いていたのだとしたら、一輝にも目を向けたと思うんです。
もしかすると留学に行く前からどっかにちょっと――もちろんそれはあくまで弟としての範囲なんだけど――ちょっとだけ進んだ想いが、摩央の中にあったのかもしれないとは思いますね。 |
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――甲斐との接近が光一への思いに気付かせた?
甲斐くんは甲斐くんで素敵な子なので、惹かれる部分があるんだと思います。
だからこそ摩央は、自分の中にある二つの想いをどうしていいのか分からなくなっちゃっているんだろうなって。
光一はもう心を決めて、もし結美ちゃん一筋なら最後までその思いを貫いて、摩央姉の気持ちに気付かない振りをしてあげる。もしくはちゃんと受け止めた上で断ってあげるべきかも。光一の技量が試されるところでしょうね。
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――それでは、一輝と明日夏ペアについてはいかがでしょうか?
もう女性からすると、一輝は酷い奴ですね(笑)。でも男の子って実際はああいうものだと思うんです。
女の子の方は精神的に成長が早いので、無神経でがさつな男の子に女の子がちょっと心を痛めちゃうのが、高校生ぐらいだと一般的なのかな、とは思うんです。
それにしても一輝は、一つのことに夢中になると周りが全く見えてなくて……そんな一輝を意識してしまった明日夏ちゃんがかわいそうですね(笑)。
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―― 一輝に対して何かアドバイスをしてあげるとしたら?
明日夏ちゃんのことを女の子としてもうちょっと見てあげて欲しいなと思います。
たしかに一番のサッカーの戦友ではあるんだけど、もう少し女の子の部分も意識してあげて、優しくしてあげられるところは優しくしてあげたり……。
それを無意識にやっちゃっているから、よけい明日夏ちゃんは振り回されちゃうんでしょうけど。
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――では、明日夏に対してのアドバイスは?
明日夏は気が強そうに見えて、割と臆病だったり引っ込み思案だったりするところがあると思うんですよ。
でも、相手が一輝だからこそ逆に、「もうちょっと強く出ちゃおうよ!」と思いますね。今は自分の中の女の子としての気持ちに、明日夏がどうやって気付いていくのかなっていう段階でしょうか。
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―― 一輝と瑛理子については?
一輝はもっとちゃんと瑛理子のことを見なきゃダメだと思うんです。
最初に「実験」から入ってしまったから、表面上のことに囚われていて、瑛理子の内面の深いところまで目を向けていないままなんですよね。
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――深いところがあるってこと自体に気付いてないような……。
変な話、一輝の欲が前面に出ちゃっている気がするので、「俺が」っていうのが真ん中に来ちゃっていますよね。
それがちゃんと「相手が」っていうところを第一に考えられるともう少し大人になれるし、しっかりした関係になっていくんじゃないかなって気はします。
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――瑛理子に対してはどうですか?
瑛理子は何で一輝だったのか、っていうことを考えて欲しいなと思います。
最初に偶然から始まって、でもそれがだんだん一輝じゃなきゃダメなんだっていう風になっていくわけでしょ。
それを瑛理子は単に「あなたがあの時あそこにいたから。別に誰でも良かったの」としか言えないから、どっちも不幸になっちゃう。一輝じゃなきゃいけない理由に早く気付いて欲しいです。
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――でないと一緒にラーメンを食べにいったりしないですよね。
一輝を通じてだんだん他の人たちと触れ合うことにも慣れていますけど、まだ一輝がいないとあの輪の中にいる必然性が無いんですよね。一輝がいなくても、みんなといておかしくないようになれたらいいねって、応援したいです。
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――甲斐と摩央についてお聞かせください。
前編でもお話しましたけど、甲斐くんがだんだん大人になってきているんですよ。
気を回したりとかもそうですが、ちゃんと言葉に出すようになってきたと思うんです。
実は今日(12月)収録した後半のエピソードでは「ライブに出ようとは思わなかったけど、水澤のおかげで一歩踏み出すことができたよ、ありがとう」みたいな言葉が言えたり。
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――高校生でそんな台詞なかなか言えないですよね。
そう。成長しすぎちゃって、だんだんお父さんみたいになってきてます(笑)。
摩央はたぶん、本当は甲斐くんに甘えたかったりすると思うんですよね。ちゃんと摩央が揺れずに甲斐くんを見ることができたら、それはそれで幸せになれるんじゃないかと思うんですけど。
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――では、甲斐に対して摩央姉をゲットするためのアドバイスを。
基本的には摩央姉は自由行動にさせておいてあげないといけない気がします。
でも「俺はいつもここにいるから大丈夫だよ。見てるからな」っていう風にしてあげると、摩央としても安心できるんじゃないかなって。今は摩央も、甲斐くんいい人だな、すごく気を遣ってくれているなって、薄々気が付いてはいるようですよ。
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――じゃあ甲斐は心を広く成長できれば……。
バッチリです。そして突然はやめましょう(笑)、まずは言葉にしましょう。言わなかったら通じません。
さすがに彼も学んできているようですが(笑)。
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――甲斐と接する時の摩央姉に対しては?
あまり我慢しなくていいんじゃない? と言ってあげたいですね。
逆に「悩んでるんだ。辛いんだ。どうしていいか分かんないんだ」っていうところを甲斐くんに打ち明けられれば、お互いにとってもいいと思うんです。
甲斐くんに対しては自分が見せたい摩央像しか見せられていないみたいですから。
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――それはある意味異性として意識しているからかも?
かもしれません。でも、甲斐くんがどんどん成長して、受け止められる度量の人になっていくのだったら、摩央もなるべくそこに委ねた方がいいんじゃないかな。
そのほうがしっかりと二人の関係が固まっていくんじゃないかという気はします。
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――それでは最後に今後の展開について、収録された範囲でちょっとだけ教えてください。
多分放送では、もうそろそろ一つのヤマ場を迎えます。
このヤマ場では光一もかわいそう、摩央もかわいそう、結美ちゃんも甲斐くんもかわいそう、みんなかわいそうなんです。
ここからどうなるのか、どこまで絞ってどこまで広げるのか、というのがだんだんと始まっている感じです。
私たちキャストも気になっているんですよ。個人的にも深月の婚約者のお話がどうなるのか、いろいろ気になっています(笑)。これからの『キミキスpure rouge』を宜しくお願いします。
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